さまざまなメリットがある企業出版

経済がグローバル化している時代にあって、企業としてもこれまでの経営を漫然と続けているだけではとても収益が見込める時代ではなくなっています。
我が国には中小企業が多いといわれていますが、経営規模の小さな企業が熾烈な競争のなかで今後とも生き残るためには、やはり他の企業に追随するよりも、その企業にしかない魅力を打ち出してニッチな顧客を獲得する方向に舵を切ったほうがよいといえます。

企業ブランドの確立

そこで重要になってくるのが企業ブランドの確立ですが、まずは有望なターゲットに対して効果的に魅力を発信できるツールがないことにははじまりません。
従来からよく行われてきたこうした企業の情報発信の方法としては、テレビやラジオによるコマーシャルが挙げられます。
テレビやラジオであればより多くの顧客に向けて一度に伝えたい情報を発信することができますし、コマーシャルを工夫することで製品そのものに加えて、上品さやていねいさなどといった感覚的なイメージもあわせて醸成することができる点ではたいへんすぐれています。
しかしテレビやラジオのコマーシャルを打つには膨大な費用がかかりますし、配信される枠が決まっているので時間的にもきわめて短く、伝えたいメッセージをよほど切り詰めなければならないといった問題的があることもたしかです。
近年はこれらに代わってインターネット広告もさかんになっています。
インターネットの特性を生かし、クッキーなどの技術を活用してターゲット層を的確に捕捉することができるため、テレビよりも安価な価格で効率的な広告を打つには適しています。

企業出版のメリット

これらもインターネットならではのメリットはあるものの、配信される広告そのものはたとえば指定されたピクセル数の四角形の枠内に収まるような画像やテキストに限定されているなど、作成をする際の制約はテレビやラジオの広告以上に大きなものがあります。
しかもインターネットには疎いお年寄りなどの顧客層にはメッセージを届けることができず、すべての顧客に平等に届けたいと考えたところで実際にはかたよりが生じてしまいやすいところもネックです。
このようなありがちな広告のボトルネックを打ち破るものとして企業出版があります。
書籍そのものは昔から親しまれてきたメディアのひとつであり、小説や雑誌などの商業出版に加えて、著者本人が費用を負担する自費出版なども小規模ながら存在していたことから、一見すると目新しさはないように捉えられがちです。
しかし企業出版では企業が費用を負担して、自由な内容でメッセージを発信できるところに違いがあります。
ひとくちに企業出版とはいっても、企業の社長などの代表者が著者となるものや、広報部などのセクションが中心となってまさに会社の名義を全面的に打ち出したものまでさまざまですが、いずれにしても特定の企業が出版の主体となることは従来にはない傾向といえます。

コストもそれほどかからない

このような企業出版には当然ながらもてはやされるだけのメリットが存在しますが、たとえば書籍という昔からあるメディアを活用するという点において、若い人からお年寄りまで幅広い世代にまんべんなくメッセージを届けられる期待があるほか、コストもそれほどかからないことが挙げられます。
世代を問わないメディアというのは考えてみるとなかなか適当なものがないのが実情であり、書籍はその点においては他の追随を許さないだけの存在感があります。
個人の自費出版が可能なことからもあきらかなように、特にテレビ広告などと比較してみると低コストであり、最近は従来のような大部数向きのオフセット印刷に加えて、需要ができたつど印刷をするオンデマンド印刷のような形態も生まれていますので、なおさら低コスト化が進んでいます。

大量のメッセージを発信できる

企業出版の場合には大量のメッセージを発信できることも大きなメリットです。
テレビやラジオ、インターネットといった他のメディアでは時間や文字数をはじめとするさまざまな制約のなかで、伝えたいメッセージを絞りに絞り込んでおかなければならないもどかしさがありました。
ところが書籍の形式であれば、これらのメディアよりもはるかに大量の情報量を詰め込むことができますので、あまり文字数などの制約を気にしなくても済むようになります。
企業としては顧客に訴えかけたいことは山ほどあるはずで、それらが十分に反映できるのは書籍をおいてほかにはありません。
さらに付け加えれば紙面の自由度の高さもまたメリットに数えることができます。
収載できる情報量の多さを生かして、テキストはもちろんのことですが、写真であったりグラフや図表であったりと、さまざまな表現で主張を浮き立たせることができますので、訴求力の面でもすぐれています。
もちろん内容に自社の創意工夫が生かされるところも魅力です。

まとめ

代表者の自伝風の体裁をとることによって、企業理念やユニークさをアピールすることもできますし、新製品開発の現場であったり、経営の合理化や事業拡充などを題材として採り上げることによって、顧客そのものというよりもパートナーとなる同業または異業種の他社を引き入れることさえ可能です。

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