ゴルフコース

忍耐が問われる全米オープンゴルフ

全米オープンゴルフは非常に難しいコース

ゴルフをしていて何が楽しいかと言えば、バーディーを決めてうれしい気分になることです。
しかしそれを許さない大会があります。
それが全米オープンゴルフです。

全米オープンゴルフはアマチュアであれば予選をクリアすれば誰でも出られる大会であり、多くのゴルファーの憧れでもあります。
そのコースセッティングは非常にタフであり、そのタフさがトッププレイヤーが故意に罰打を犯すことにつながってしまいます。
故意にせざるを得ないほどセッティングが非常に難しく、それならばペナルティを払って早々にカップに入れた方がいいと思わせるほどです。

全米オープンゴルフは5年以上も前から開催コースが決定されます。
それだけの準備期間をかけて臨まなくてはならず、セッティングが始まります。

よく見られるのはフェアウェイが狭い、ラフが深い、グリーンが硬いなどです。
フェアウェイが狭いということはランを稼ぎにくいことを意味します。

フェアウェイが狭いということはランを稼ぎにくい

一般的なゴルフでは目いっぱいドライバーで飛ばし、ボールが落ちてからその勢いである程度のヤード数を稼いで、2打目のアプローチショットを容易にさせます。
ところが、それをやってしまうとラフに転がってしまい、アプローチショットがやや難しくなる傾向にあります。

またフェアウェイが狭いことは正確性を要求させられ、下手をすれば深いラフへ一直線ということもあります。
こうなってしまうとグリーンを目指す前にまずはそこから出さなければならないような状態に追い込まれます。

ラフの中にも多少浅くカットされている部分と深く残されている部分があり、浅くカットされている部分であればまだ幸運ぐらいの感覚で多くの選手はいます。
アマチュアからすればそれでも大変そうですが、深いラフに入ってしまったらそこから出すだけに結構な力を要するため、これでもラッキーと思わなきゃ大変です。

グリーンが硬ければパットの際も非常に神経を使う

グリーンが硬いことが何を意味するかですが、まずグリーンにうまくボールを寄せようとしても勢いが良ければすぐにグリーンからこぼれてしまいます。
グリーンが硬い状況はアスファルトを想像するとよく、そこに落とせば弾みやすく、ボールの回転をかけるのも大変です。

せっかくいいところにつけたのにスピンをかけたことでミスショットのような状態になることもあります。
パットの際も非常に神経を使うことから、忍耐が問われることはよくわかります。
それを4日間72ホールも耐えなければならないのは厳しいものがあります。

優勝スコアの目標というのも大まかに決められており、イーブンパーが優勝ラインに設定されやすいです。
つまり、すべてのホールをパーで上がるような成績で優勝できるということです。

イーブンパーが優勝ラインに設定されやすい

このため、プロゴルファーであっても信じられないような打数を叩くことがあり、パットが上手なプロでも3パットはもちろん、4パットをすることもあります。
アマチュアから見ればプロがそんな状況になるのかと信じられない気持ちになりますが、その環境でアマチュアがプレーを行えば、9ホールすら満足に回れず、苛立ちを抱えながら我慢のゴルフを強いられます。

全米オープンゴルフはそれだけ忍耐が問われ、人によっては怒り出す人もいます。
バーディーなどが醍醐味であり、商業性を考えれば多少甘い方が見ている側も面白いです。

しかし、全米オープンゴルフはそうした商業性を排除し忍耐の時間を求めます。
これが面白いと言う人にはいいですが、競技を知らない人からすれば退屈に思われることもあります。

裏を返せば、好成績の状態に持ち込めば一気に上位へ行くことも可能です。
逆転の要素が色濃いのも全米オープンゴルフの魅力です。
ここで日本人が勝利することは相当な快挙です。